Quantcast
Channel: 研究 – Colorless Green Ideas
Browsing all 53 articles
Browse latest View live

学問における内輪の「秘儀」

はじめに 『データ解析のための統計モデリング入門』という本を読んだ。色々な面で面白い統計書であった。中でも刺激的だったのは、いい加減なデータ解析の例を指摘しているところであった。そこで、ある種の(ダメな)データ解析を内輪の「秘儀」と呼んでいた。この「秘儀」という言葉に対して少し思うところがあったので、簡単に記してみたい。...

View Article



羅生門―ポスドク編

本文1 ある日の暮方の事である。一人のポスドクが、大学の校門の下で雨やみを待っていた。 広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々塗装の剥げた、大きな鉄柱に、蟋蟀が一匹とまっている。校門が、キャンパスの入口にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする学部生や大学職員が、もう二三人はありそうなものである。それが、この男のほかには誰もいない。...

View Article

蜘蛛の糸―無職博士編

本文 一 ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の象牙の塔を、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。象牙の塔の頂上に収められている学術の成果は、みんな玉のように輝き、そのまん中にある金文字表紙の博士論文からは、上質紙の何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。...

View Article

杜子春―ポスドク編

本文 一 或春の日暮です。 とある大学の西の門の下に、ぼんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました。 若者は無職の博士といって、元はしっかりとした大学院で学位をとったものでしたが、学位取得後も職はなく、奨学金という名の借金ものしかかり、今はその日の暮しにも困る位、あわれな身分になっているのです。...

View Article

大学院の研究室を選ぶ際に着目すべき5つのポイント

はじめに 大学院の研究室を選ぶ際に、最も重要なポイントはその研究室でどんな研究が行われているかということだと思う。しかし、研究内容だけを見れば良いというものではない。他にも考慮すべき点はたくさんある。...

View Article


参考文献表にそのままコピペ可能な文献情報を出力するウェブサービス

はじめに 学術論文を書く際には、参照した文献の情報を参考文献表に書く必要がある。参考文献表は所定のスタイル に従って書かなくてはならない。しかし、これが結構難しい。紙に印刷された書籍を参照するならこうするが、電子書籍ならああしろといったように、色々な条件があるので、普通の人にはなかなか把握しきれないのである。 では、どうするか。真面目にやるなら文献管理ソフト...

View Article

注文の多い料理店―院生編

本文 二人の若い院生が、いっぱしの研究者きどりで、キャンパスの奥深くの、人気の少ないとこを、こんなことをいいながら、あるいておりました。 「ぜんたい、ここらの研究室はけしからんね。研究費もろくにもってやしない。なんでも構わないから、金の心配なしに、実験をやってみたいもんだなあ。」...

View Article

大学院をやめました

はじめに 3月末をもって大学院の博士後期課程を退学することとなった。博論は結局未提出。これで俗にいう「博士課程単位取得満期退学」 になる。 大学院はなかなか楽しかった。周りの人も良い人が多かったし、学術面以外にも色々と勉強になった。結構居心地の良い場所だった。そして、色んな人にお世話になった。この場所でもお礼申し上げたい。 学部4年、修士課程2年、博士後期課程4年 と大学には10年も居続けた。理系...

View Article


文系博士課程後期課程院生の就活

はじめに 大学院をやめるにあたって、職探しをした。やめるにしても食い扶持のあてがなければ、どうしようもないからだ。いわゆる文系の博士後期課程の院生が、就活をするのはあまりないケースだと思うので、自分の経験を記すことにした。似たような状況にある人の参考になれば幸いである。...

View Article


Image may be NSFW.
Clik here to view.

「英語で3千語って何ページ分?」といった疑問を解決する方法

本題 「英語で3千語って何ページ分?」といった疑問をいだくこと があると思う。こうした疑問を解決するには、Wolfram|Alphaというサイトが役に立つ。 Wolfram|Alpha で 3000 words と検索する Wolfram|Alphaで、“3000...

View Article

名人伝―院生編

本文 ある大学の研究室に所属する院生という男が、天下第一の研究者になろうと志を立てた。己の師と頼むべき人物を物色するに、斯学の権威である教授に及ぶ者があろうとは思われぬ。論文を専門誌に投稿するに皆査読を通過するという大家だそうである。院生は遥々教授をたずねてその門に入った。...

View Article

Image may be NSFW.
Clik here to view.

LaTeXでの箇条書き作成は easylist パッケージが便利

easylistパッケージで箇条書きを簡単に LaTeXで箇条書きを作りたい場合、easylist パッケージが非常に便利だ。このパッケージを使うと、非常に簡単に箇条書きを記述することができる。特に、箇条書きの中に箇条書きが埋め込まれているような複雑な場合において、この easylist パッケージは強い味方になる。 LaTeXに最初から組み込まれている itemize や enumerate...

View Article

「無断引用」という表現はやめよう

「無断引用」という表現はよろしくない 小保方晴子氏が他者の文章を自分の論文に盗用したという事件 があった。この事件の報道において「無断引用」という表現が各所で用いられているが、この表現は正確でなく誤解を招きやすいので、使うのはやめるべきだと思う。「無断引用」の代わりに、「剽窃(ひょうせつ)」か「盗用」と言ってほしいところだ 。...

View Article


Image may be NSFW.
Clik here to view.

専門的な文章を読むには訓練が必要という当たり前だがあまり知られていないこと

はじめに 西日本新聞のウェブサイトに掲載されたコラムに次のような文章があった。 ネット上に公開された大学などの論文にある「解釈的文脈」「モダリティ辞」「ディアスポラ」「語用論」って何? 高度な論文でなければ注目されず、不勉強と冷笑されもするだろうが、難解な言葉で自己陶酔する世界観が学術界に広がっていないだろうか。...

View Article

研究室の藪の中

査問委員会に問われたる院生の物語 さようでございます。あの剽窃(ひょうせつ)を見つけたのは、わたしに違いございません。わたしは先週いつもの通り、図書館に新しく出た論文を読みに参りました。すると論文の実験結果の段に、あの剽窃があったのでございます。あった処でございますか?...

View Article


理研での研究倫理軽視に関する告発?

告発 科学に関する学術誌サイエンス(Science) のウェブサイトに、理化学研究所(理研)での研究倫理軽視に関する告発のコメントが載っていたので紹介したいと思う。 STAP細胞に関するニュース記事 が、Irreproducibility Dogs New Reprogramming...

View Article

Image may be NSFW.
Clik here to view.

PaperRater: 英文のブラッシュアップに役立つ無料ウェブサービス

PaperRaterとは PaperRaterというウェブサービスを使うと、無料で英文の文法誤りなどの問題点をチェックすることができる。英語でレポートや論文を書く際に、ブラッシュアップするのに使えるウェブサービスだと思う。 また剽窃の有無も見てくれるので、大学教員など英文でのレポートを評価する側の人にとっても役立つだろう。 PaperRaterのスクリーンショット...

View Article


おとぎばなし:かねもちはくし と びんぼうはくし

一 あるくにに だいがくいんという とても りっぱな がっこうが ありました。このがっこうでは だいがくいんせいという ひとたちを そだてて よのなかのやくにたつ りっぱなひとにするのです。そして このがっこうを でた りっぱなひとのことを「はくし」といいます。 はくしたちは とっても ものしりです。みんなが いままで わからなかったことを あきらかにしてくれます。みんなが いままで...

View Article

Image may be NSFW.
Clik here to view.

文部科学省はスーパーな学校がお好き?

はじめに 2014年9月26日、日本の文部科学省が「スーパーグローバル大学創成支援」の対象となる大学を発表した。この事業は、単純に言えば、日本の大学が国際的に「すげー」と言われたいから、一部の大学に金を出すというものだ。この施策が本当にうまくいくかは私にはよく分からない。だけれども、文科省のお偉方は、他国の学術論文数が順調に増えているにもかかわらず日本の学術論文数については10年ほど増えないまま...

View Article

2014年のノーベル物理学賞受賞者は日本人が3人か?

内外の報道の違い 2014年10月7日、2014年のノーベル物理学賞に、赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏の3人が青色発光ダイオード開発の業績で選ばれた。日本のメディアではこのことをもって、日本人が3人受賞したと考えているものが多い。 例えば、NHKのウェブ上のノーベル物理学賞に赤崎勇氏 天野浩氏...

View Article
Browsing all 53 articles
Browse latest View live




Latest Images